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小満

  • 執筆者の写真: FRACTUS 編集部
    FRACTUS 編集部
  • 5月21日
  • 読了時間: 2分

2025年5月21日

二十四節気 「小満」




小満の季節、七十二候の初候では「蚕起きて桑を食う」と呼ばれるシーズンです。

我々呉服に従事する者にとって、この時期の柔らかい芽吹きの桑の葉を食べて大きくなる蚕は「春繭」と呼び、秋繭に比べて糸が上質とされています。

春繭しか使わずに白生地を織るこだわりの機屋もあり、また古くから近江で手掛けられている三味線や琴の糸も春繭を使います。


養蚕農家では旺盛な食欲を持つ蚕が繭を作るまで、2時間起きに新鮮な桑の葉を与えるため、この時期寝ずの番が続きます。

蚕を育てるには、桑の木を大量に育てる必要があります。大型体育館一個分の敷地面積に1㎡あたり1本の割合で育てても、春繭のシーズン中に葉を食べつくしてしまう程だそうです。

桑は放っておくと大きくなりますが、管理がしやすく葉を多く茂らせるよう大人の背丈くらいに切り揃え、害虫がつかないように日々見回り、初夏の熱気の中で枝を切っては蚕箱に運ぶを繰り返す、大変な重労働です。


驚くことに、蚕は一旦繭の中でドロドロに溶けてしまいます。

幼虫から蛹になる中で大きな変容をし羽化する姿に、天から与えられた虫であると、蚕の不思議を思うばかりです。



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三大御神木と云われる木を、松竹梅と思っている方も多いのですが、実は「松」「梅」「桑」が該当します。

特に桑は皮、根、枝、葉、実のすべてが薬用とされています。

実は疲労回復効果があり、ジャムにすると美味しく、この時期小鳥との競争です。


蚕にとって桑は、絹糸を吐き出すために必要な必須アミノ酸や栄養を豊富に含む美味しい葉ですが、他の虫にとっては強い毒性があります。その為蚕はほぼ他にライバルが居ない状況で桑を食むことができます。

蚕と桑の5000年に及ぶ共存関係です。




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