立秋
- FRACTUS 編集部

- 8月7日
- 読了時間: 2分
更新日:8月7日
2025年8月7日
二十四節気 「立秋」
8月7日頃は立秋です。
夏の暑さがようやくかげりを見せ始め、少しずつ秋の気配が・・・
というのは、もはや一昔前の話かもしれません。

自然の僅かな変化を敏感に感じとり、
季節のうつろいを芸術文化に落とし込んできたのが日本人ですが、
いままで積み重ねてきた日本の情緒が通用しないほど、近年の猛暑はすさまじいものがあります。
人々の行動や意識は気候風土に担保されていると云われます。
また、テクノロジーの発展と進化も、人の行動に影響を及ぼします。
長くなった夏のさなかで涼を求める想いは変わることはありませんが、
不要な外出を控え、海で遊ぶ人が減り、大型ショッピングモールが賑わっている昨今、
”暑い立秋”の過ごし方は少しずつ変化をしているのでしょう。
歳時記には「水涼し」という表記はもちろんのこと、月涼し、鐘涼し、露涼し、影涼し、燈涼しなど、あらゆるものに涼しさを重ねています。
夕暮れに建物から漏れだす灯りでさえ、”燈涼し”となるのがおもしろいところです。
また、ヒグラシなどは秋の季語ですが、実は夏の初めから鳴き声を響かせています。
このように、いつも知っているはずの日常の風景でも、涼し気な気配を感じながら眺めることで、いつもとは違った感情を想起させているのかもしれません。
久しぶりに体感する「涼しさ」の効果は計り知れません。
修験道の聖地・英彦山から流れる山国川では、暑さから逃げるかのように水面にいっせいに落下する合歓の木が涼しげにたゆたっていました。
ko watanabe

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