游 ― journey ― 巡る。
- FRACTUS 編集部

- 2025年2月17日
- 読了時間: 3分
更新日:2025年2月18日
「FRACTUS」は、人々が生きる上で不可欠な6つの要素を「六識」としてコンセプトに据え、二十四節気を巡り風土記を紐解く、旅するWebマガジンです。
タイトルの「FRACTUS」は世界をかたちづくるフラクタル構造の語源となったラテン語で、ちぎれ雲を指します。
今降っている雨は、十日前まで海の水でした。水蒸気となって雲となり、また地上へ降り注ぎ、山に浸透した雨水は、数十年を経て生命を豊かに潤すミネラルたっぷりの水として海へと注ぎます。

6、という数字は不思議です。
人の感じる五感に意識を足したものを「六根」と呼びます。仏教では迷いを生じさせる器官を指します。
大地が冷え固まって安定すると、六角形の柱状節理となります。
宇宙は拡大するものであり、発展こそ正義と信じて歩みを進めてきた人類にとって、「収縮こそ安定」というのは何か逆説的な示唆を感じる話です。
今一度立ち止まって足下を見つめよという、地球からのメッセージのような気がします。
植物は長らく、腐食物により栄養を得ていると考えられてきましたが、むしろ無機物を栄養としているそうです。
無機物化学肥料の発明により、それまで自然環境と共に推移していた農業生産高は飛躍的に向上しました。
増え続ける人口の糊口を凌ぐことができるよう食料の増産が図られ、産業革命以前は僅か10億人だった世界人口は、1950年の25億人突破からたった70年で80億人を越えました。
地球に生きる人々は、この星の資源を分かち合い、共有しています。
ラインで引いた国境で環境が変わる訳ではなく、地続きに繋がり、相互に影響を及ぼしています。
春の黄砂は、日本では「春霞」と雅な呼び名が付けられました。この砂は、ゴビ砂漠から飛来しています。
黄砂は陸のみに降りかかるのでなく、偏西風に乗って海へも降り注ぎます。
黄砂が降る場所は、ミネラルを求めて海中の微生物が寄り付き、それを追いかけて魚が集う、豊かな漁場となります。
海の生き物さえ、陸から離れては生きられないのです。
山から海への水の循環こそ、生命の源です。
文明は、氷期と氷期に挟まれた間氷期に築かれてきました。
約1万年前に始まった現在の完新世間氷期は、2000年前の気温下降期と、小氷期(1250年–1850年)の波を経て、今に至っています。間氷期の中でも温暖だった時期は、世は平和であり文化が花開きました。このうち寒冷だったことで知られる5世紀は「倭国大乱」と呼ばれる動乱の時代であり、12世紀は武士の世への移り変わりの時期。応仁の乱の頃も寒冷化し、飢饉により人々が苦しんだ時代でした。
世界の気候変動は大気、海洋深層循環の強化、氷床融解の3つが相互作用しているそうです。
地球の呼吸は数千年、数万年単位で繰り返されます。僅か70年の間の急激な人口増は、大気・海洋・氷床の緩やかなバランスを狂わせるのに充分でしょう。
私たちの星はこれからどこへ向かうのでしょうか。
叶うなら、水平線上に瞬き人の寿命を司る寿星へ、天下泰平の世を見守り賜え、と願うばかりです。
参考資料
FRACTUS
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